寺だより

2010年6月号

西国巡礼も最後、満願成就の旅。天候に恵まれ、33名にて早朝出発。道中が長いので、車内で西国巡礼のDVDを流す。 これまで訪れた各札所を思い起こしながら、岐阜へ向かう。

第33番札所 華厳寺。結願の寺。長く一直線に桜、もみじの並木が続く門前町の参道から仁王門に至る。 本堂参拝の後、満願堂にて最後の勤行そして記念撮影。これにて全員揃って結願を果す。 納経帳を提出すれば、西国の先達の資格がもらえるとのこと。
昼食後、お礼参りで信州善光寺へ。やがて高い山々に囲まれていく、長い道のり。雪を冠する連峰を見上げながら、長野へ入る。

善光寺。夕暮れに西日を受け佇む本堂は、荘厳の一語。山門を背に参道を通り、宿坊円乗寺に到着。
午前五時半、快晴。宿坊を出発し、善光寺本堂へ。
本尊は阿弥陀如来。本堂は国宝。ここは天台宗の大勧進、浄土宗の大本願によって運営。 大勧進は、天台宗の名刹から推挙された僧侶が歴代住職を勤める。大本願は尼寺で、 代々公家出身者から上人を迎えている。特徴として、日本において仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院であることから、 宗派の別なく宿願が可能な霊場と位置づけられている、とのこと。

堂前の参道に一列に並び、腰を落として、管長さまをお待ち受け。合掌して、 頭を垂れていると管長さまが手にした数珠を各人の頭に触れていく。これが「お数珠頂戴」の儀式。
堂内外陣で朝勤行に参加。浄土に思いを馳せた内陣。厳粛で、澄んだ空気の中、天台宗の声明が奏でられる。 途中で、戒壇巡りへ。堂下の真っ暗な回廊を巡る。本道真下で「極楽浄土の錠前」に触れる。 残念ながら私は良く説明を聞かず、通り過ぎたようだ。お勤めは浄土宗に交替。念仏の声が堂内を駆け巡り、我々を包み込む。 極楽浄土。その後、我々は内陣に通されて、申込んだ祈祷、供養を各人読み上げていただいた。ありがたい。これをもって、我々一行は、極楽往生を約束された。みな感激に包まれ、にこやかな表情で、宿坊へ帰る。

朝食。出発までは自由時間。みんな手に一杯のお土産を買い込む。最後だけに力が入ってますねー皆さん!

遠い道のりをひた走り、四国へ。瀬戸内海に沈む夕日を拝みながら、最後のお勤め。無事に帰って参りました。 すばらしい皆さんと共に、西国巡礼の旅を終えられたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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