寺だより

2009年11月号

第2回の西国巡礼は11月9日出発。今回は33名の参加を得て、大阪、和歌山、奈良方面を巡りました。

朝一番は、第5番札所 葛井寺。閑静な住宅街の中を進むと、幼稚園へ送り出す親子の姿もあり、 なんともほのぼのとした雰囲気。境内に入っても、お参りもまばら。静かでゆったりした空気の中をお勤め。
次は、西国最大の難関とされる山深い第4番札所 施福寺。お大師様ともご縁の深いお寺だ。駐車場を出て、 いきなり勾配のきついコンクリートの坂道。しばらく行くと山門に到着。一息付く間も無く、森林に囲まれた参道は自然道になり、 でこぼこの石段が連なる。道幅も狭く、勾配をましてゆく。全身から汗が吹き出る。進めど進めど、お寺は見えてこない。 何度か休憩をとり、声を掛け合っての登山。ほど良く開けた境内に漸く到着。この寺が修験の道場であったことを、肌身を通して実感。そして、全員無事に下山。昼食。
番外札所 高野山奥の院。車中でご詠歌を唱えながら、高野山へ。上がるにつれ紅葉の色、鮮やかさが深まっていく。夕暮れ時、奥の院へお参り。 杉木立に囲まれた聖域は、ピンと張り詰めた空気と薄暮が清らかさと神秘さを増す。御廟の前でのお勤め。あぁ ありがたや・・・。 帰り道に雨。いつものこと。今夜は普賢院さんに宿泊。
11月10日。お山の荘厳な朝。本堂にて厳粛な朝勤。金剛峯寺に立ち寄った後、朝露に光る見事な紅葉に後ろ髪を引かれながら下山。
第6番札所 壺阪寺。山間の中腹、紅葉に包まれ、多彩でエキゾチックな伽藍。思わず、おぉっと声が上がる。 眼病平癒のご利益があるご本尊さまは、運良くお開帳中。お接待で目に効く御茶を頂く。
第7番札所 岡寺。大和の国、飛鳥の地にあり、周辺には沢山の有名な古墳がある。境内の庭は、小さいが、手入れが行き届いている。 こちらもご開帳。土でできたご本尊さまは如意輪観音。本堂内陣に入り、ご本尊さまと結縁。
第8番札所 長谷寺。真言宗豊山派本山。バスを降りて暫く歩くと雨が・・・。雨具は車中。山門を過ぎれば屋根付きの回廊が待っている。 少しの我慢。しかし、雨は強まる一方。限界。皆思い思いに土産物店でビニール傘を買い求めた。長い長い登廊の末、10メートルを超えるという本尊さまとご対面。 西国巡礼のルーツ、そして観音信仰の根本霊場としての威厳を体感。
番外札所 法起院。雨上がり。長谷寺の帰り道に徳道上人のご廟所をお参りする。こじんまりとし、 静かなお庵。大寺を巡りきた身には、清々しい風情を感じた。

今回も最後はお約束の雨。しかし、盛りだくさんの内容に一同満腹。全員無事に帰着。慈愛に満ちた観音さまの瞳に思いを馳せつつ、一同感謝。合掌。

次回は3月10日、11日の予定です。

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