寺だより

2010年3月号

3月10日、11日。西国巡礼の旅は、年をまたいで、第三回。残念ながら、今回は体調不良や所用の為、数名が欠席し、総勢29名。 出発前日は、まさかの大雪。誰もが出発を危ぶんだ。しかし、朝には、雪、雨はあがり、厳しい底冷えの中、奈良、京都に向けて元気良く出発。
第9番札所 南円堂。整備の行き届いた、奈良公園の中に、興福寺はあった。ここで川之江出身、奈良在住の加地さんご夫婦よりお接待を受ける。 参加者には、同級生、顔見知りもいて、しばし歓談。
第10番札所 三室戸寺。ここより京都。「花の寺」として有名。なるほど、山の一面につつじ、アジサイ、シャクナゲが植わっている。 ライトアップ用の照明も点在している。ただ、悲しいかな今は3月。花は無い。枝、幹を眺めながらの参拝。これらが咲き誇ったら見事でしょう。 昼食は宇治川の辺のレストラン。すぐ横に平等院鳳凰堂。わずかな休憩時間で、参拝に出かけた強者もあったようで。女性陣は買物かな?
第11番札所 下醍醐。真言宗醍醐派の総本山。「醍醐桜」で有名。大きなしだれ桜が沢山あった。本来参拝するはずの上醍醐は、険しい山道で、 相当な難所。ただ、数年前に焼失し、やむなく下醍醐でお参り。近くて良かったー、とは口に出さない。
第12番札所 岩間寺。お参りは一旦滋賀に入る。静かな山間たたずむ本堂。古来の山岳崇拝を色濃く残す寺。日が傾き、風が更に冷たい。
第13番札所 石山寺。名の通り、大きな岩山の上にそびえる堂宇。境内のあちこちに、奇怪で巨大な岩肌が露出する独特の雰囲気。 紫式部が「源氏物語」の構想をこの寺で練った、とのこと。山中に紅白の梅林があり、目を楽しませてくれる。 宿泊は、雄琴温泉、雄山荘。冷え切った身体を、温泉で十分に温める。

2日目。家並みが白く朝日に輝いている。霜?そのうちに小雪が舞い始める。今日は7ヶ寺を巡る、しゃかしゃか参りましょう!と出発。
第14番札所 三井寺。広大な境内の中に、国宝の金堂を有す。間違えて金堂にお参りしようとしたが、札所はずっと上の観音堂とのこと。 途中で立派な釣鐘を突く。但し、突くのも有料。他にも見所満載だが、時間が無い。 番外札所 元慶寺。閑静な住宅街の中の、小さなお庵といった風情だが、鐘楼のある立派な山門が我々を迎える。 花山天皇の出家得度の寺ということで、番外となっている。本尊は薬師如来。ただ、大型車の駐車場が無く、かなり歩いた。
第15番札所 今熊野観音寺。大津から再び京都へ。真言宗泉涌寺本山の境内地にあり、繁華街の近くでありながら、渓谷を取り込んだ静かな寺である。 頭痛封じや、頭がよくなる観音様として有名。ご利益を頂く為に、ご祈祷枕カバーを求める。 昼食は真言宗智山派本山智積院の会館で。合間に、コンクリートながら巨大な本堂を参る。
第16番札所 清水寺。世界遺産、京都観光のメッカである。大勢の修学旅行、団体客、外国人らが押し寄せている。 見渡しても純粋な?参拝は我々の団体くらいか。山門前にて全員で記念撮影。お参りは本堂内にて。 ごった返す清水の舞台の喧騒を他所に、清粛なお勤め。しかし、帰り道は、みんなと同じ観光客。記念撮影とお土産に一生懸命。
第17番札所 六波羅蜜寺。街中の住宅密集地を抜ける。前の人に遅れまいと、一生懸命付いて行く。空也上人縁の寺。 すすけた本堂は、火災の痕かな。
第18番札所 六角堂。大通りの裏、ビルの谷間に建つ本堂。スターバックスの中を抜けても行けるんだー、と妙な処で感心。 聖徳太子信仰と観音信仰が融合する寺。まさに都会のオアシスといった佇まい。
第19番札所 革堂。京都御苑のそばの、街中。尼寺として有名。納経所も女性のみで、瀟洒で優しげな雰囲気の境内。 ただ、寒さと疲れがたまって、足早にバスへ戻る。

今回の巡礼は、少々寒かったが、心配された天候も、大きな崩れはなく、順調に行程をこなせた。これも参加の皆さんのご協力とチームワークの賜物です。感謝。又、来月(4月8、9日)もみんな揃って、楽しく参りましょう!

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