寺だより

2009年3月号

春の訪れとともに、寒さに閉ざされていた大自然も陽光に包まれて生命の息吹をとりもどします。 それと同じように人の心の中には必ず菩提心がありますので彼岸の訪れは閉ざされていた人間の心、 忘れかけていた仏の心を思い起こします。毎日、仕事に追われて働くことも結構なことですが、 たまには静かに自分の心とすがたを見つめることは人間として大事なことと思われます。

お彼岸は仏心回復を願う「こころの週間」なのです。お墓参りやお寺の法会にお参りして先祖を想うことは、 そのまま今ここに生きる自分自身のいのちを考え、感謝と報恩の心をとりもどすことになります。 彼岸とは波羅蜜多(はらみた)というインドの言葉で理想社会、仏の国を作るということであります。

彼岸の訪れは単に季節の運行ということでなく、彼岸に心を運ぶこと、菩提心の種まきをし、 自分自身の生き方を再確認する仏教週間です。

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