2011年04月01日
講習会
転衣式の花
去る3月11日、高野山金剛峰寺にて執り行われました法印転衣式(弘法大師の名代として、1年間法会を取り仕切る法印の転衣の儀式。 本年の法印様は釈迦文院ー中西啓宝大僧正様)の大立華と座主居室の真華です。
華道高野山の源流である祖山での講習会に参加し、華務長山縣先生から直々にご指導いただきながら、大作に挑戦いたしました。
二日間とも春の雪で相当冷え込みましたが、暖房も効かない金剛峰寺の大広間にての生け込みは、文字通り修行そのものです。
雪の高野山から下山してほっとしたのも束の間、あの大震災が起こりました。
まさに転衣式のその日・・・
想像を絶する被害状況、深刻な原発問題を目の当たりにしながら、私には手を合わせ祈ることしかできません。
「苦難の中でも楽観を失わない、それが日本人だ」。 恐るべき大災害に皆さんが立ち向かう姿をみると、常に日本人に対して抱き続けてきた尊敬の念を新たにします。 その姿は、世界中が見習うべき模範です。 日本の友人たちよ。 あなた方の国民性の素晴らしい点はすべて、ある事実を常に意識していることとつながっています。 すなわち、人はいつ何時、危機に直面して自己の生き方を見直さざるをえなくなるか分からない、という事実です。
日本人の皆さんへ。
私はあなたたちに思いをはせています。 この悪夢が早く終わって、繰り返されないよう、心から願っています。 この至難の時を、力強く、決意を持って乗り越えられんことを。
~愛媛新聞掲載 映画監督アンジェイワイダ氏より~