2012年06月20日
お知らせ
巡礼の旅
四月下旬、新緑の美しい京都、奈良へ、20名の団体参拝、真言宗十八本山巡礼の旅に出かけました。 真言宗には、十八の本山があります。 これを全4回(1泊2日)に分けて参拝しています。 今回は、その3回目で、京都の醍醐寺、随心院、勧修寺、奈良の西大寺・宝山寺・朝護孫子寺の6カ寺を巡りました。 それに加えて、観光も兼ねて宇治の平等院、奈良の東大寺、興福寺国宝館に立ち寄りました。 内でも、平等院と興福寺国宝館には感銘を受けました。
平等院鳳凰堂。 10円玉のデザインで知らない人はないでしょう。 平安末期(1000年前)に、末法思想が広がり、時の権力者、関白藤原氏が、贅を尽くしてこの世に極楽浄土を作り出しました。 それが、国宝本尊阿弥陀如来像、池に浮かぶ宮殿、国宝鳳凰堂です。 今や色あせてしまった壁面の弥陀来迎図、雲中供養菩薩像、堂内の彩色は隣接のミュージアムでCGを使って見事に再現されています。 ため息が出るほど美しい。 ただ、大量の修学旅行生で、人の渦に巻き込まれながらの拝観が残念。 静かな時期に是非もう一度訪れたい『極楽浄土』です。 しかし、世界遺産・有名観光地ですから無理ですかね。 まあ、いずれは往けるでしょう、本物の極楽へ・・・
この間、若いお坊さんが、葬儀の説法の中で「極楽」のことを「天国」と申しておりました。 「天国」とはキリスト教の表現なのですが。 残念です。
興福寺国宝館。 目玉は数年前に大ブレイクした美男子、阿修羅像が祀られてます。 仏女(仏像好き女子の略)ブームの火付け役です。 でも、こういった所に「展示」されている仏さまは「祀られている」と、表現していいのでしょうか?などと、硬いことも考えますが、ここは文句無く素晴らしく、奈良時代の仏像(すべて国宝)の息使いが感じられるものでした。
人気の阿修羅像は、八部衆立像と呼ばれる全八体の1つで、インドに伝わる異教の神々を仏教が取り込んだもの。 だから基本、化け物の姿をした仏さまなのです。 いくら美男子でも、顔が3つあって、腕が6本じゃあ、ちょっと・・・じゃないですか?
それよりも、お釈迦さまの十大弟子像が良かった。 舎利仏や目連さん。 新しく仏教が伝来した奈良時代、古の先人たちの、仏法への思いが込められた仏像に圧倒されました。
ここでは、修学旅行生の来襲も無く、ゆったりとした時を過ごせました。 ここも再度訪れたい場所の一つとなりました。
これら以外、今回の巡礼でお気に入りへ登録したい場所。 醍醐寺三宝院の庭園。 遠近の美が緻密に計算され、遠くの滝の音がかすかに響きわたる、メローな空間でした。 生駒の聖天さん(宝山寺)、信貴山の毘沙門さん(朝護孫子寺)は、大都会大阪を一望に見下ろす、霊験新かな聖地でした。
『祈りの旅(巡礼)』はありがたいです。 余計なことを考えない『一心な旅』です。 次は、秋に参ります。 長谷寺・根来寺・高野山の予定です。 宿泊は、美人の湯、秘境龍神温泉か?乞うご期待!興味のある方はご一報を。
~ロータリークラブ週報原稿より~